ロートル達の参議院選挙-My Generation-

 参議院選挙が終わりました。安倍元総理の暗殺という悲劇がおきてしまいましたが、選挙は滞りなく行われて、結果も大方の予想通り、与党の圧勝という結果でした。皆様、投票には行きましたか?応援している候補は当選しましたか?今回の投票率は52.8%で、前回の衆議院選挙を若干上回る結果でしたね。投票については、私には考えがあって、以前のこのブログでも紹介させていただきました(若者たちの衆議院選挙-Y.M.C.A-)。個人的には、何が何でも投票をという風潮には、私は反対なのです。直接政治に参加できる投票の機会は、大切に使って欲しいと思っているのです。そして、政治に興味がない人や投票が面倒だと思っている人は、無理に選挙に行く必要はないとも思っています。大した考えもなく雰囲気だけで投票しても、ロクなことにはならないと思っているのです。そして、皆さんが決めた事で私は結構ですという姿勢もありだと、私は考えています。

 今回の選挙では、NHKをぶっ壊すと煽っていた政党が議席を獲得しましたね。この政党は政党交付金の獲得が選挙の目的のひとつだと公言しています。そして比例で、国外に移住(逃亡)している詐欺師のYouTuberが当選となりました。この御仁は、友人や付き合いのある芸能人のスキャンダルを自分のYouTubeチャンネルで暴露する番組を作っている上に、詐欺行為を行った為日本にいられなくなり、ドバイに脱出しているそうです。そして候補になった理由の一つが、もし当選したら国会開催中に不逮捕特権があるからだと、ご自身のYouTube番組で語っていました。この政党に投票した人たちは、こういった事も全て承知の上で、この政党に投票したのでしょうか?私は了見が狭い人間で、自分が気に入らない人物が当選したので文句を垂れているだけなのかもしれません。もしかしたら皆さん、YouTuberが語っている、国会で芸能人や国会議員のスキャンダルを暴露して世間をあっと言わせるという事に期待して、この御仁に投票したのかもしれません。しかし、どう考えてもこの人物が、私たちの暮らしやこの国を良くしてくれるとは、私には思えないのです。ちなみに私は、ネットの政党マッチングサイトでは、相性がいい政党が「N党」になりました。勿論私は、こんな人たちには投票せずに、自分の信念で投票しましたよ。他にも、反ワクチン、反マスクでオーガニックな保守政党も、議席を獲得しましたね。国会の多様性という点では意味があるのかもしれませんが、個人的にはこんな奴らが国会議員なんて、世も末だと思ってしまいますね。

 新聞やTVなどの今まで主流だったメディアは、こういったマイナスイメージに繋がりやすい事は、事前にはほとんど報道しません。各候補者の人となりなども、深くは取り上げられません。一方でSNSを中心としたネットでは、様々な情報が虚実入り乱れていますが、使い方によってはかなり強いインパクトを与えることができるメディアだと、今回の選挙で感じました。NHKをぶっ潰すヒト達や、反ワクチンの人たちは、こういった新しいメディアを上手に活用していましたね。やはり、新聞やTVが投票を声かけするのならば、通りいっぺんの政策を薄っぺらく報道するより、何故投票が大事なのかという事についてじっくりと啓蒙して欲しいところですね。

 新聞やTVでは、今回の選挙でも盛んに若者世代の投票を、強く呼びかけていましたね。その理由として、シルバー民主主義(嫌な言葉ですな)という事をあげていました。シルバー民主主義とは、文字通り政府の政策が、投票率が高くかつ数も多い中・高年層寄りになる事だそうです。そして、若者が投票しないことで金銭的にも損しているという事を、その根拠にしていましたね。東北大学加齢経済社会研究部門の吉田教授による試算が、特に多くのコンテンツで引用されていました。その試算では、若者世代の投票率が1%低下することで、若者世代は、年間7万8千円の損になるのだそうです。TVの情報番組の司会者の人やコメンテーターの人が、この数字を見て「こんなに若者は損をしているんですか!」と煽っているのを見て、私は強い違和感を感じました。この数字の根拠になっているのは、社会保障費の世代別の給付額と、国債の発行の増加となっています。社会保障費は、年齢層が高くなれば高額になるのは当然ですし、国債の増加については何を指標にしてどういう補正がされているのかという事が、どの記事でも明記されていません。元になった論文を探してみましたが、私の検索能力では見つける事が出来ませんでした。医療の世界では、引用される文献やデータには、エビデンスが必要とされています。そして根拠があやふやなデータを用いる事は、固く戒められています。東北大学の吉田先生には何の恨みもありませんが、マスコミがこんな頼りない根拠のデータを用いて、「皆さんは損をしてますよ、とにかく投票しましょう」なんて公の電波を使って若者を煽るのは。いかがなものかと私は思いますね。ちなみに吉田先生は、この研究の目的について、若い人たちに年金、医療などの社会保障や国債発行について関心を持って欲しかったと語っておられます。決して若者に投票を煽る目的の研究ではないのですね。

 私は、本当にこのシルバー民主主義なる言葉、そしてそれを吹聴する風潮に、無性に腹が立っています。私達、中高年層をこれ程バカにした言葉はないと思うのです。この言葉からは、私達が、あたかも自分達の利益ばかり考えて、次世代の事を全く考えずに投票活動を行っている様に感じます。そもそも年金や医療費給付なんて、国家としては当然行わなければならない施策であって、中高年に忖度した政策では無いはずです。若者世代も歳をとれば体もガタがくるし、リタイアした後に年金を受給するのは、この国の基本的な制度なのです。こんな当たり前の事を、高齢者に忖度した政策なんていうメディアや有識者達の見識を疑いますね。「お前らの目は節穴どころか下水管じゃ」と言いたいですね。中・高年齢層だって、ちゃんと若者世代の将来について、そして教育や出産・育児の事を考えながら候補者や政党を選んでいます。現在の政策が高齢者寄りのものが多くなっているのは、現在の人口の年齢構成を見れば仕方がない事だと思います。怒りに震える私は、毎度ですが、またまたくだらない妄想をしてしまいました。

 中高年層を蔑ろにする風潮に、怒りが沸点に達した誇り高い老人たちが、一念発起して政党を立ち上げてしまったというシナリオです。名付けて「日本老人党」。党首には永遠の不良老人嵐山光三郎先生を推薦したいですね。豪放磊落な性格と、酸いも甘いも噛み分けたそのご経験は、党首にぴったりですね。党主には、精一杯に我儘で自分勝手な振る舞いをしていただき、理想的な頑固ジジイの範を示して欲しいですね。事務局長には人望が厚く、自然とその周りに魅力的な人たちが集まる、椎名誠さんにお願いしたいところです。全国に広がる新旧ドレイ軍団の力を結集すれば組織の運営は万全ですよね。党是としては「すべての人たちに誇りと名誉ある老後を」、そして訴求する政策の理念は「子供、若者、中年、みんないつかは老人。若者が憧れる老後を実現する為の諸政策。」というのはいかがでしょうか?私の脳みそは腐ってしまったのかもしれません。もしかしたら、私はもっと運動をして、心をリフレッシュしたほうが良いのかもしれませんね。

 中高年齢層の皆様はシルバー民主主義なんて言われて、小さくなっている必要はないのです。高年齢層の人たちは、今まで十分に頑張ってきて世間に貢献してきたのだから、リタイアした後は、黄金の日々を送ればいいのです。艱難辛苦を舐めながら今日まで頑張ってきた中高年層に、世間はもっと敬意を払うべきなのです。若者世代のオピニオンリーダーなんて持て囃されているあんちゃんやおねえちゃん達に、偉そうに説を垂れられる謂れはないのです。奴らが、わかったような事を小賢しくほざいてきたら、「お前達は何もわかっとらん!」の一言で全否定してやればいいのです。そして何を言われても『ワシらはこうやって生きてきたんじゃ!」と突っぱねてやればいいのです。あんちゃんやおねえちゃんたちが、眉をひそめながらも、心の底では羨ましがるような、自分勝手で我儘で、それでいて自由奔放な生活を送ったらいいのです。こんな事を言っていると、世間の清く正しいヒト達から、こいつは世代間の分断を煽っているなんて言われて、思いっきり怒られそうですね。しかし、いつの時代でも世代間の対立なんてものはあったと思いますよ。大人達は「近頃の若いもんは・・」なんて言って若者に説教を垂れていて、若者達は「うるせいや!このクソジジイ(あるいはクソババア)」なんて言って反抗していたものだと思いますよ。4000年前の古代エジプトの遺跡から発掘された石板にも近頃の若いモンは云々と彫られていたそうです。そうやってやり合いながら、若者は、説教を垂れる大人達を心の片隅で敬っていて、そして年寄りは、反抗してくる若者を頼もしく思っているものだと思いますね。そうやって今まで折り合いをつけながら、私達は綿々と歴史を紡いで来たと思いますよね。

 現在問題となっている少子高齢化ですが、日本の人口構成を考えるとすぐに改善するとは思えません。つまり、私たちの国は中・長期的には、否応なしに老人国家になってしまうのです。この事を考えると、若者世代に社会保障や国債発行について考えてほしいという吉田教授の問題意識は正しいのです。残念なのがこの研究を曲解して、とにかく若者に選挙に行けと煽っているメディアなのです。私達が、素晴らしい老後の日々を過ごす為には、若者世代の幸せが必要不可欠です。私たち老人世代が、やりたい放題で思いっきり我儘な生活を送る為には、若者世代の生活の基盤がしっかりしなければならないのです。そして、人口は否応なしに減っていって、少子高齢化が進んでいかざるを得ない我が国の長期的なビジョンを、この国の為政者は考えて実行しなければならないのです。私は、憂鬱な心持ちで、若者の投票率がどうのこうの言っているより、我が国は今後どうなっていくのか、本質的な議論を行わなければならない時期だと考えています。

My Generation:”長生きなんてしたくねえ”なんて叫んでいる若い奴らも、いつかは老人になる。その時に人生に悔いなく幸せな暮らしを送っていける世の中になるように・・・。

My Generationは、1965年に発売されたThe Whoの同名のFirst Albumの6曲目に収録されている曲です。2016年に公開されたアニメーション映画の名作、”聲の形”のオープニングテーマ曲として使用されていたので、印象に残ってい人もいらっしゃるかもしれませんね。私が高校生の時、同じ下宿に住んでいた友人が、このバンドの大ファンでした。そして彼はバンドを組んでいて、The Whoのコピーを中心に演奏していて、この曲がお気に入りの曲、いわゆるキメの1曲でした。彼はとてもおしゃれな男で、当時の高校生では珍しい、細身のズボンとボタンダウンのシャツをいつも着ていて、白のローファーなんて代物を履いていました。いわゆるモッズファッションというやつで、そいつは女の子にモテモテで、学校でも目立っていましたね。私と違って勉強が出来た彼が、この曲の英語訳を教えてくれた事が思い出されます。それは英語オンチの私でも理解できる平易な英文で、若者のどうしょうもない怒りやフラストレーションがよく表現されていて、猛烈に共感した事を憶えています。当時の私は本当に愚かな小僧で、本来受験勉強に精を出さなければならない時期に、下宿に集まる不良達と遊び呆けていて、自分の将来の事など何も考えていませんでした。そして政治の話なんかをしている賢い人達や、受験勉強に一生懸命な同級生を小馬鹿にしていた、どうしょうもない馬鹿者でした。しかしそんな恥ずかしい自分の過去を、私は全く後悔はしていなくて、夜通しモッズファッションの彼とくだらない”よもやま話”をしていた事や、私と同じく見事に落ちこぼれた友達と一緒に、下宿の部屋で煙草を吸って、教師の手入れにあって停学になった事、そして二人で坊主頭になって登校した時の事など、全て懐かしい思い出になっています。こんなに愚かだった私でも、今や日本の将来は・・、なんて偉そうに説を垂れているのですから、若者が選挙や政治に関心がなくても全然大丈夫だと思いますよ。もちろん若い子が政治に興味があって、色々な活動や様々は発言を発信することはとても良い事で、すこぶる心強く思います。しかし私は、「政治なんて関係ねえや」と言って、遊びに精を出している若者の方が頼もしく感じますね。そんなお兄ちゃん、お姉ちゃんでも、自分で生計を立てるようになって、政治が身近なものになってくれば、否応なしに関心は持つようになると思いますし、わからないならわからない成りに一生懸命考えて投票をしてくれる様になると思うのです。何せこの国は、どうしようもないグータラでダメ男でクズ野郎だった私でも、曲がりなりにもちゃんと人並みの生活が出来て、人生の後半戦を、精一杯楽しもうと思える様になる、そのくらい懐が深く、ポテンシャルがある国なのですから。

このような駄文を、最後まで読んでくださってありがとうございます。

皆様にとって明日が今日より良い日となりますように。

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ロートル達の参議院選挙-My Generation-” に対して1件のコメントがあります。

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