金は天下の回りもの-Money Changes Everything-

悪い円安が進行中だそうです。何が良い円安で何が悪い円安なのか、経済オンチの私にはよくわかりませんが、ドル換算レートで120円を超えたら問題なのだそうです。そして数日前には1ドル126円を突破してしまい、マスコミの人たちは大騒ぎをしています。しかし、マスコミの皆さんやエコノミストの人たちは、ちょっと前までは円安にならなければいけない様な事を言っていたと思います。日銀が一生懸命お札を刷っているのも、副次的な目的では円安に誘導して輸出を増やす為と解説していたこともぼんやり憶えています。そして、トヨタは1円円安になれば、400億円の利益を押し上げるなどと言っていた様に記憶しています。散々円安を望んでおいて、円安の神様も、「お前らが一生懸命にわしに来てくれと言うから来てやったのに、何じゃい、この塩対応は!」と怒っているかもしれませんね。

何故円安がこんなに悪者になったのでしょうか?どうやら、悪い円安とは、海外から調達する原材料や原油などの費用が嵩むために、輸入で原材料を調達している企業の経営が厳しくなり、景気が悪くなって給料も上がらなくなり、それが我々の生活にも影響してくる事だそうです。一方良い円安というのは、輸出企業が海外で製品を売るときに、価格競争力が強くなり、物が良く売れる様になり、これまた株価が上がったりすることで我々の生活に好影響を与えてくれることの様です。何だか、どちらも言っている事は表裏の事柄の様で、平たくいってもその善悪は、私のようなボンクラにはよくわかりません。もっと詳しく知ろうと思っても、なんとかアナリストとか、なんやらストラテジストなどという怪しげな肩書きの人たちが書いている解説は、古代の呪いの呪文のような理解不能な言葉ばかりで、難しすぎてさっぱりわかりません。

私たちがダイレクトに感じられる円安のデメリットは、やはり海外旅行ではないでしょうか?円の力が強ければ、当然海外旅行には格安で行くことができますし、逆に弱ければ、庶民には海外旅行の敷居も高くなってくると思います。 思い起こすと、かつて、1ドル80円台前半という時代がありました。当時、ゴルフが大好きな友達は、年に何回かタイまでゴルフの為に出かけていました。彼によるとタイのゴルフ場は素晴らしいコースばかりで、1人1台カートとキャデイさんがついてくれて、おまけにボール探しの若い衆が1組に2人ついてくれていたそうです。そして、彼らは大変献身的で、どんな林にボールを打ち込んだとしても、必ず探し出してきてくれて、あまつさえ池にボールを打ち込んだ時には躊躇なく池に頭から飛び込んで行ったそうです。しかしこれは話を盛りすぎですよね。おそらく池に入ったボールでも、取れる範囲のボールは濡れるのを厭わずに回収してきてくれたということだと思います。逆に円安の今では、海外からのインバウンドの人々にとっては、日本の物価はずいぶん安く感じる様です。コロナの為今は旅行客は来ていませんが、入国の制限が解除になれば、また海外からのお客様も増えるような気もします。

今、何故円安になっているかというと、大きな要因としては、日銀がせっせとお札を刷っているので、円の金利が恐るべき低さとなっていて、一方アメリカでは、金融引き締め政策に転じていて、ドルの金利が上がっている為なのだそうです。当然投資家の皆様は円よりもドルを買うことになり、円安になるという寸法です。マスコミは、物価が高騰して大変だとしきりに言っています。またコメンテーターや経済評論家の人たちは、給料があがらず、円安、物価高で、日本はいよいよスタグフレーションに突入するなんて言っています。そして今お札を刷っている事は、将来の世代に多大な借金を残す事になるので、今すぐ止めるべきだなどと発言しています。一方、他の経済評論家の人たちは、日本はいまだにデフレに苦しんでいて、お札をするのを止める訳にはいかないという発言をしています。これだけ物価が上がっていて、まだデフレなのか?なんて思ってしまいますが、経済学でいうところの物価はまだ上がっておらず、日本はまだデフレなのだそうです。識者の人によると、経済学の領域では、物価と物の値段とは分けて考える必要があるのだそうです。経済活動の元となる物価とは消費財全体の値段から食料品や燃料など価格変動が大きいものを引いた値の事で、コアコアCPIと呼ぶのだそうです。何だかカムカム・エブリバディみたいで可笑しいですね。なので、マスコミで物価高騰で大変だなんて言われているけれど、日本ではまだまだデフレから脱却できておらず、日銀はせっせとお札を刷って経済に活気を与えなければならないのだそうです。何だか相反する意見を耳にしていると、どちらももっともな事を言っている様に聞こえてしまって、考えるのが嫌になってしまいますね。

そもそも景気とは、企業の業績や失業率、株価や収入などの客観的事実と、社会の雰囲気や企業のマインド、消費者のマインドなどの主観的イメージが合わさったものだそうです。そして将来の予測については、誰も確実な事はわからずに、まさに「神の見えざる手」に委ねられているのだそうです。そうであるならば、私としては、政府や日銀には積極的に取り組んでほしいと思いますね。経済オンチの私が説を垂れる立場にはないのですが、日銀がお札を刷るのをやめて、景気というあまりよくわからないものが上向きになるのを待っているよりも、一生懸命お札を刷って、新しい技術や産業、人材の育成に積極的に投資をしていく方が、明るい未来が待っているような気がします。これからの日本を作り上げていくのは、若い人たちであり、今まで結構いい暮らしを謳歌してきた我々の世代は、次の世代にも充実して満ち足りた生活を、そしてそうした暮らしが出来る可能性を残していく努力をする必要があると強く思うのです。

Money Changes Everything :お金は全てではないけれど、お金があれば出来ることや、様々な可能性が広がることも事実。お金が世の中で有意義に使われる事を願って・・・。

Money Changes Everythingは1983年に発売されたCyndi Lauperのファーストアルバム、”She's So Unusual”の1曲目に収録された曲です。全世界で大ヒットしたアルバムで、Time After Timeなど、とてもいい曲ばかりが収録された、素敵なアルバムです。私は、このアルバムが流行っていた頃は社会人になりたてで、長い研修が終わりようやく自分の担当を持って外回りを始めた頃でした。当時、私たち外勤者が朝の営業を終えて集まる溜まり場になっていた喫茶店で、このアルバムがいつもエンドレスでかかっていました。その喫茶店で、私たちは朝の営業のことを話したり、昨晩の野球の話や、社内のよもやま話をモーニングセットを食べながらおしゃべりをしていました。それはまるで昨日の事の様に脳裏によぎっていて、そして私は、シンディが「お金が全てなのよ」と特徴的なハイトーン・ボイスで歌っているのを聞きながら、「自分は将来どのような暮らしを送る様になるのだろう?」などとぼんやりと考えていた事を思い出してしまいました。奇抜なファッションで「あんたと別れるのは、お金のためよ。」なんて身も蓋もない事を歌っているシンディですが、本当はとてもいい人で、様々なチャリティーに協力していることで知られています。そして、大変な親日家でも知られています。東日本大震災の時にちょうど来日していて、米国本土から退去勧告が出ているのにもかかわらず日本に留まってくれて、そしてチャリティーコンサートまでしてくれたことを憶えています。紅白歌合戦にも出演していましたね。私はこのアルバムは、くだんの喫茶店で耳にタコができる程聞いていたので、自分では購入しませんでした。しかし、今回、思い立って購入して聞き返してみたところ、40年近く昔の作品とは思えないクオリティーで、良い音楽は普遍的であって、名作は世代を超えた存在であることを再確認しました。

このような駄文を最後まで読んでくださってありがとうございます。

皆様にとって明日が今日より良い日となりますように。

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金は天下の回りもの-Money Changes Everything-” に対して3件のコメントがあります。

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