岸田政権への不安-Karma Chameleon-

 新型コロナウイルス蔓延の中新年を迎えました。そんな中でも世界は激しく動いていますね。東欧ではロシアとウクライナとの間で一触即発の緊張感が感じられますし、トンガ王国では火山の大噴火により多くの人達が大変な目にあっています。また、イギリスもアメリカも指導者の力に疑問符がついてしまい、バイデンさんジョンソンさんご両人ともに不安定な状況下で政権運営に苦心しています。翻って、日本の舵取りを担う岸田総理は大丈夫でしょうか?内閣支持率は50%台で推移しており、一見すると磐石な政権運営をしているように見えますが、一方で、重要課題については全て6月の参議院選後に先送りにして、ひたすら安全運転に徹しているという評価も耳にします。

 あくまで個人的な感想ですが、私は元々、岸田さんは詰めの甘い人物であるという印象を持っていました。思い起こせば、2015年の「軍艦島をはじめとする明治日本の産業革命遺産」に対するユネスコ文化遺産登録の際、登録に反対する韓国との間で朝鮮人労働者工の強制労働についての扱いで、厳しい交渉を担っていたのが、当時外務大臣であった岸田さんでした。最終的には「強制労働」という文言について「労働を強いられた人々がいた」といった表現に変えることで決着しましたが、英語表記で言うと、「forced labor」が「forced to labor」ということで、国際的には日本が強制労働を行っていたという日本の主張とは異なる事を認めてしまったことになってしまいました。非常にタフな交渉であったことは理解できますが、国際的には英語で伝えられるので、この結果が世界でどのように報道されるかについては容易に想像できますよね。その際の岸田外相(当時)の会見を見ていて、いかにも苦そうに説明をされていて、ダメな営業担当者(まるで私のような)の言い訳を聞いているように当時の私は感じたものでした。

 元々私は、前総理であった菅さんに強力なシンパシーを感じていて、今回岸田さんが総理の座についたのは、私から見ればあくまで「消去法」であって、岸田さんが総理の器であるとはとても思えませんでした。そして岸田政権発足後、早くも岸田さんの能力、適正に疑問符がつく事例がいくつか発生しています。就任早々には「子育て世代への給付金」をめぐるドタバタがありました。現金とクーポン券併用か、現金一括かについて大騒ぎをした上で、世論の強い要望に答えて、現金一括も可であるということになりました。マスコミの評価としては、岸田さんが聞く力を発揮して柔軟に対応したという肯定的な評価でしたが、私は、このドタバタ劇を見ていて、このヒト達本当に大丈夫なのか?という不安を感じました。

 オミクロン株感染拡大の際にも同じようなことがありました。感染者急増時に、岸田さんは素早く厳しい入国規制(鎖国と呼ばれました)を行い、そのこと自体は評価されましたが、その際に海外にいた日本人まで入国不可という措置をとっていたことが判明して、多くの批判が寄せられた結果、即座に撤回をされました。また、共通テスト受験生について、オミクロン濃厚接触者に対して受験不可で追試受験といった厳しい措置を発表して、こちらも大きな反発を呼んで、即座に撤回されました。両者について共通しているのは、マスコミで大きく取り扱われて、即座に岸田さんが「自分はこんなことがあったのは知らなかった。私から速やかに変更するように指示をしました。」といって、是正を行ったという点です。マスコミの扱いは、「さすが岸田総理。聞く力を持っているだけに、即座に対応をしてくれました。」といった概ね好意的な扱いでした。しかし私は、もし岸田さんが自分の上司だったらまっぴら御免ですね。このような大事な事を総理、あるいはその周辺にいる人達、いわゆる内閣官房の方々が知らなかった筈はなく、この事は、「失敗は全て部下のせいで、尻拭いはワシがやってやったんじゃ!」という鼻持ちならない上司の典型であると思います。また両者とも少し考えればどうなるのか理解できることで、この内閣の人達があまり物事を深く考えていないのではないかと疑いを持ってしまいます。そういえば、総裁選でしきりに発言していた「所得倍増」についても、総理になった途端に「あれはものの例えで、本当に所得倍増するとは言っていない」という子供のような言い訳をしていましたね。大変ご立派な経歴をお持ちで優秀な頭脳をお持ちの方々に失礼な言い草ですが、このヒト達の地頭は大丈夫なのか?と心配してしまいますね。

 岸田さんが、鼻を膨らませて声を高らかに訴えている、「新自由主義からの脱却」「新しい資本主義の確立」という点についても杞憂される点です。岸田さんが寄稿している文藝春秋の論文を立ち読みで読みましたが、(本屋さんには申し訳ないのですが、お金を出して買う気がしませんでした)劣等生の私には意味がさっぱりわかりませんでした。阿呆な私だけではなく、多くの識者も同じような意見をいっています。概ね皆様、内容は全くなくて、具体的な事はこれから考えていくのだろうということをおっしゃられています。菅前総理のスローガンは「自助、共助、公助」でした。野党やマスコミからは散々な言われ様でしたが、私はこちらの方が余程スッキリしていてわかりやすかったと思っています。私は、今でも菅政権の方が岸田政権よりあらゆる点で優れていたと思っています。確かに菅さんは弁舌はさわやかではないし、見栄えも岸田さんみたいにシュッとしていなくて、子泣き爺みたいですが、要は仕事ができるかどうかという点が大事だと思っています。菅さんは、さまざまな反対意見が起きることについても、ご自分の信念に基づいて、毅然とふるまっていました。そして短期間ですが、難しい問題や、これまで先送りにされていた問題について次々と結果を出してくれました。

 岸田さんは、きっと、人からよく思われたい気持ちが強い人なのでしょうね。それは反面、人から嫌われることはそれはたとえ自分が正しいと思うことでも、妥協してしまうということを意味しています。岸田さんは温厚ないわゆるいい人で、永田町界隈では岸田さんのことを悪く言う人はいないそうです。私が危惧する点はまさにそこにあります。岸田さんからは、政権の支持率を気にするあまり、本当にやらなければならないこと、妥協してはいけない事について、妥協してしまいそうな匂いがプンプンしています。

 散々悪態ばかりついて岸田さんには大変申し訳ないのですが、こんな嫌事を言うのは、岸田総理で日本は大大丈夫なのかと、私は本当に心配しているのです。コロナウイルスのパンデミックが収束した後、日本の舵取りは本当に難しい局面に入ることになると思います。そのような中で、温厚で誰からも好かれていて、本当にいい人だけれども、世間の顔色を見ながら、批判を浴びそうなことは必要なことでもやらずに、大事な問題は先送りにするという疑いが濃厚なこのヒトで本当にいいのですか?ということを、この誰も読んでいないブログで強く訴えたいと思っています。

Karma Chameleon 岸田総理はカメレオンなのでしょうか?そうであって欲しくはないと願っていますが、行ったり来たりしている岸田総理を見ていると本当に心配です。願わくば、優柔不断でさまざまな色にその姿を変えるカメレオンではなくて、臨機応変に的確に判断して、その姿を変えていくカメレオンであって欲しいと思っています。karma Chameleon 私の不安が杞憂であることを心から願って・・・。

Karma ChameleonはCulture Clubが1983年にリリースした曲で、邦題「カーマは気まぐれ」で日本でも大ヒットしました。当時、MTVミュージックテレビジョンというTV番組で毎週のようにオンエアされていて、英語劣等生だった私は「カマカマカマコメディアン」と歌っていると思い込んでいて、おかまがコメディアンの歌を歌っていて面白いなあと思っていました。(本当にアホですね)実は優柔不断な恋人のことを歌った曲で、この中でBoy Georgeは自分は信念(conviction)がない男で、どうやったら矛盾(contradiction))を封じることができるかが分からない男だと歌っています。気まぐれな恋人に翻弄されて、右往左往しているBoy Georgeの姿が、政権運営であたふたしている岸田さんの姿と重なりました。イントロにフューチャーされていたハーモニカの音色がとても格好良い、おしゃれでスマートな素敵な曲です。

このような駄文を最後まで読んでくださってありがとうございます。

皆様にとって明日が今日より良い日となりますように。

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