自民党総裁選-Don't take me for a loser-

取り敢えず自民党総裁、及び日本国総理大臣が岸田文雄氏に決まりましたね。私は菅前総理大臣を支持していましたので、四候補いずれの方についてもあまり関心はありませんでした。今回の総裁選で私が興味があったのは野田聖子氏がなぜ総裁選に参戦したのか?という点でした。

 野田さんは今回立候補しても、どう考えても勝ち目がない戦となることは明らかでしたし、失礼な言い方ですが100%勝てないということは誰が考えても分かりますよね。野田さんが勝ち目のない戦いに敢えて飛び込んでいった理由は、女性初の総理大臣になるというご本人の夢があり、推薦人を何とかして二十人集めて総裁選を戦いたいという大望があったことは事実だと思います。しかしながら最も大きな動機としてはやはり、野田さんが総裁選中大きく訴えていた「女性や子供、高齢者、社会的弱者のための政治」ということを広く広報して欲しかったからだと思います。やはりどうしてもmain issueとしてはコロナ対策や今後の経済をどうするのか、あるいは外交・安全保障といった点に焦点が当たってしまうことが予想されますが、野田さんは子供さんが障害をもたれていることで、ご自身が大変苦労されているということもあり、このテーマが他の議論の中で埋没してしないようにしっかり総裁選の中で議論したい、自分が立候補することでメディアに取り上げてほしいということが大きな目的であることは理解できます。

 しかしその反面、ご主人の件についても同時に取り上げられることは必然ですよね。特に週刊誌やタブロイド日刊紙を中心とするメディアやインターネット界隈で面白おかしく取り上げられることは必至であり、事実その通りになりました。そういったリスクがあるにも関わらずご自身の信念を貫き通したお姿は立派であったと思います。また勝ち目のない戦いであるにも関わらず、野田さんの支援に回った三原順子さんも素晴らしい立ち振る舞いであったと思います。政治的スタンスについてはむしろ真逆で高市さんに近いのではないかと思いますが、姉のように慕っている野田さんのために義理と人情を優先させて、まさしく「姉さんの為なら一肌脱いで加勢しますぜ」といったところでしょうか。任侠道を貫いた天晴れなお姿であったと思います。旦那様の件は関係ありませんよ、念の為に。

 今回の総裁選では、岸田総理・総裁が終了後は挙党一致でいくという方針を打ち出したこともあって(衆議院選挙前ということもあるかもしれませんが)、岸田政権の閣僚として少子化担当大臣として入閣することと相成りました。総理への夢は遠のいたかもしれませんが、本当にやりたかったテーマに取り組む環境を得ることができたので、ご本人としても本望であると思います。野田さんの政策については、夫婦別姓や女系天皇容認等私の考えと異なる点も多いですが、女性がより活躍できる社会をということは大切なことだと思います。菅さんが手をつけてやり遂げることができなかった数少ない案件であるこども庁についても、その創設に携わる重要な立場ですので是非ともご立派にやり遂げて欲しいと切に望んでいます。

 子はかすがいとはよくいったもので、子供の笑顔が溢れている生活というのは本当に大切な事であり、まさに社会の宝だと思います。しかし現状では、少子高齢化が進んで、日々日本の活力が失われています。また最近では子供の虐待やいじめ問題といった痛ましい事件も多く報じられており、本当に胸が潰れるような思いです。こども庁の創設は日本の将来を考えると安全保障や経済対策と並んで最も大切な問題の一つであるかもしれません。野田さんはご自身が本当に子供が欲しくて大変なご努力をされてきた経験をお持ちであり、またその子供さんを本当に愛しておられて、様々な問題を厭わずに精一杯対処されているそういった方だと思います。だからこそ名前だけの少子化対策、こども庁といったことにはならず、身のあるものを作り上げてくれると私は思っています。またこれをやり遂げたのならば、政治家野田聖子はもう一段上のステージに上がることができるかもしれないと私は期待しています。こういった一連の流れを俯瞰してみると、ある意味で野田さんは今回の総裁選では負けて勝ちを得たのではないでしょうか。

Don't take me for loser ’cause I'm gonna win

Gary Moorの印象的なリフとともに。希望を込めて・・・。

このような駄文を最後まで読んでくださってありがとうございます。

皆様にとって明日が今日よりより良い日となりますように。

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