気分はアナーキー -I’ll Be There For You-
第213回、通常国会が1月26日に開会となりました。通常国会は、令和6年度の国家運営に関わる予算がここで決定されることから常会と呼ばれていて、最も重要な国会と位置付けられています。今年度の国家予算は112兆円が計上されていて、昨年度予算114兆円からは約2兆円の減額となっています。それでも莫大な金額であることに変わりなく、きちんと議論をして欲しいですよね。しかし、通常国会は、本来大切な国家予算と、そして能登半島の震災を始めとする日本が抱えている様々な問題について議論を行わなければならない重要な場所である筈なのですが、今のところマスコミの報道は「政治と金」の問題一辺倒の様に感じられます。予算委員会においても、質疑の大半がこの問題に割かれている様です。その為、重要な予算に関する議論は尻切れトンボになってしまっている様に感じられて、「なんだかなあ」という気持ちになってしまいますね。もちろん政治に纏わるお金の問題についてはきちんとカタをつけないといけないと思うのですが、こんなお下劣な話はさっさと片付けて前に進んで行って欲しいものですよね。
昨年末から続いている、自民党の派閥パーティー収入に関する政治資金収支報告書の未記載問題、いわゆる裏金問題については、皆さん、もう飽き飽きしているのではないでしょうか。この問題については、政治資金規正法や政党助成法に対する法律違反の問題と、国会議員が扱う政治に関わるお金の問題、“政策活動費”や”政党助成金”の使い道、この二つが大きな論点となっている様です。しかし、そんな難しくて面倒くさい事よりも、問われているのは政治家の人間性の問題であると私は考えています。私は特定の政党を支持していない、所謂無党派層ですが、日本国民と民主主義を信じているので、政治的なあれやこれや、法律や制度などの面倒くさい事は、選挙で選ばれた議員様、首長様にお任せするというスタンスです。お任せはしているのですが、選ばれた人間が、誠実さや倫理観を持った、公明正大でフェアな、信頼するに足る人物であって欲しいとは願っています。
私は、かねがね政治家が行っているパーティーとは、一体どの様なモノなのだろうと思っていました。もちろん無知な私でも、政治家個人、あるいは派閥が行うパーティーが、政治資金調達の手段である事は知っていました。しかし、卑しくもパーティーと銘打っているからには、豪華なオードブルやお寿司の屋台などの贅沢な料理が潤沢に用意されていて、美しい“おべべ”で着飾った綺麗どころが、ボルドーの赤や純米大吟醸なんて代物を携えながら、「おひとついかが?」などと言ってくれたりする、とても楽しそうな集まりなのではないかと想像していました。そして参加者を楽しませてくれるアレやコレヤの楽しい企画、例えば人気芸人のトークショーや大物歌手のミニ・ステージ、人気アイドルの握手会や気鋭の新進評論家による講演など、素敵なイベントが催されて、日頃の感謝を示してくれている宴席なのだと勝手に能天気な事を考えていました。それがなんと、昨今伝えられているところによると、料理はサンドウィッチや簡単なお寿司、そして揚げ物や焼きそばなどが中心で、しかも開宴10分後には無くなってしまうという貧相な会合なのだそうです。イベントも、政党党首や派閥幹部による、自慢話ばかりのクソ面白くない挨拶と、政党お抱え文化人によるおべんちゃら満載の講演ぐらいなもので、おまけに派閥会長や大物政治家との名刺交換会や握手会というどうでも良い様な情けない出し物しか無い有様です。私の様な何の下心もない善良な一般市民にとって、脂ぎったくそジジイとの握手なんて真っ平御免ですね。それでいてパーティー券は大体2万円が相場となっているので、利益率がなんと80%にまで至っているケースもある様です。こんなものを売りつけられて、貴重な時間を台無しにしてまで顔を出さなければならない業界や団体の人達は、たまったもんじゃありませんよね。
派閥所属の代議士先生によると、派閥のパーティーについてはノルマが設定されていて、ノルマをこなすのが大変だとおっしゃられています。しかし、実際の所、現場で泥水をすすりながらパーティー券を売りさばいているのは、政治家本人ではなく、政治家の秘書さん達であろうと思います。こんなに高額で、おまけに単なる時間の無駄としか思えないつまらないものを売らなければならない秘書稼業は、本当に大変な仕事ですよね。代議士先生は、懇意な企業の社長や会長に電話一本で「まあ宜しくお願いしますよ」なんて言っておけばいいのでしょう。しかし、秘書さんが実際に訪問すれば、総務部長あたりが出て来て、小遣い銭をせびりに来た総会屋の様な扱いをされている光景が頭の中に浮かんできます。応接室ではこんな会話がされているのではないでしょうか。「またパーティー券ですか?今月はもう2回目じゃないですか。10枚なんて無理ですよ。4枚にしてくれと先生に伝えて下さいよ。それよりも、この前陳情した随意契約の件、一体どうなっているんですか!役所からは何の音沙汰もないですよ」などと嫌味を言われていそうです。秘書さんも「はいそうですか」とおとなしく帰る訳にもいかずに、「部長、先日は代議士の個人パーティーで、今回は派閥のパーティーなんです。うちの先生も次の改造で是非大臣になって皆さんに恩返しをしたいと常々言っているんですよ。その為には派閥にいい顔をしておかなければならないんです。何とか10枚、お願いします。随意契約の件は、代議士から役所の助役に電話してもらいます」などと言いながら土下座までしてしまっているかもしれません(あくまでも想像です)。与党の議員様は、政治活動にはお金がかかるという事を異口同音に語っていますよね。確かに国会議員の立場を維持するには、選挙の勝利が必須で、その為に細やかで地道な活動が必要なのでしょうね。そしてその為に、様々な活動をしてくれる秘書さんは、とても有難い存在ですよね。
国会議員は、国費で秘書を3名雇用出来る事になっています。3名の公設秘書のうち1名は、政策担当秘書という特別な資格が必要な、専門職の色合いが濃い身分である様ですね。その他に複数の私設秘書を雇用していますが、その数はまちまちです。国会議員秘書の仕事は驚くほど多彩な様です。代議士のスケジュール管理や資料収集・文書作成といった文字通り秘書としての仕事から、後援会活動や冠婚葬祭の代理出席などの各種雑用に至るまで、やるべき仕事は山積みです。東京の議員会館に詰めている秘書は、政党本部や省庁官僚との連携や政策立案、そして地元自治体や議員、そして地元企業からの陳情の対応などをしている様ですね。地元に詰めている秘書は、支援者拡大と後援会活動が主な業務である様です。彼らのミッションは、代議士様を次回の選挙でも無事当選させる事で、その為に靴裏をすり減らして、日々汗をかいている様ですね。ネットに上がっている秘書さん達の声を拾っていると(話半分だとしても)この支援者拡大及び後援会活動という代物が厄介で、支援者様や会員様(特に幹部の人達)は、結構危ない無理難題を吹っかけてくるようです(あくまでも話半分だとしてもです)。市議会や都道府県議会などの地方議員も、物心両面でのたかり・・、間違えました。援助を結構露骨に依頼してくるようですね。彼らは後援会の人達に負けず劣らず選挙の際の集票マシーンになっているので、当然窓口である秘書さんに対する当りは厳しくなっているものと察します。おまけに、後援者や地方議員たちは、代議士本人には言えない不平不満や日頃のうっ憤を秘書にはストレートにぶつけている様です。彼らの機嫌を損ねたら、代議士先生も己の立場が危うくなるので、代議士からの当りもパワハラ込みで厳しくなっている事は容易に想像できます。代議士と後援会や地方議員との板挟みになっている秘書さん達のストレスはいか程のものかと思うと、つくづく因果な稼業だなあと思ってしまいますよね。誤解のないように明記しておきますが、秘書思いで人格者の先生もちゃんといらっしゃって、感謝の声もネット上ではあげられています。
今回、裏金議員として名前があがっている国会議員、なかんずく安倍派五人衆などと呼ばれていた連中の振る舞いには、本当にがっかりしてしまいますよね。5人とも政務では重要閣僚の経験者で、党務においても、政調会長や参院幹事長、国会対策委員長などの重職を経験しています。彼らは、自民党のリーダー候補として存在感を示している、押すも押されぬ金看板の議員達です。そんな人間が、裏金疑惑については揃いもそろって、全ての罪を秘書に押し付けてしまっています。おまけに、派閥の関与・指示という点についても、「会長案件で、自分たちは関知していない」という発言をしています。私はこれを聞いて、「こいつら全員、正真正銘のクズ人間だ」と思いましたね。派閥からのキックバック指示は、今は亡き安倍元総理が問題視をして、止めさせようとしていた事が報じられています。にも拘わらず、「死人に口無し」とばかりに安倍さんや故細田議長のせいにして責任回避をしている器の小ささにはあきれ果ててしまいます。そして、自分の為に汗をかいてくれていた秘書をあっさり見捨てて、責任をなすり付ける品性には、本当に怒髪天を突く思いです。仮に秘書が独断で行っていて、彼らがこの犯罪行為を本当に知らなかったとしても、一心同体で頑張って来た部下が起こした不祥事に、トップが責任を取るのは自明の理ですよね。私は、今後こいつらがどれ程立派な事を言ったとしても、一切信用しませんね。普段偉そうな事を言っていても、不祥事を部下に押し付けて責任回避に汲々としている様な下衆野郎にリーダーの資格は無いと思いますね。「選挙で選ばれて、国民の負託を得ている国会議員の身分は重い」なんてTVでほざいている馬鹿評論家がいますが、和歌山や敦賀や八王子の人達も、こんなクズ人間とは知らずにこの人達に投票した筈ですよね。こいつら全員、即刻議員辞職して、もう一度選挙の洗礼を受けるべきだと私は思いますね。
こんな便所虫議員達に言われっぱなしになっている秘書のみなさんは、今どう思っているのでしょうか?秘書さん達の事情を勝手に斟酌すると、背景には、彼ら彼女らの、とても弱い身分があるのかもしれません。秘書稼業は、国会議員様が落選した瞬間に一蓮托生で失職してしまうという脆い職業ですよね。彼らの身の上は、戦国大名の家臣の様なものかもしれません。戦国の世では、殿の首がとられた瞬間に、文字通りその国は滅んでしまいます。なので、どんな手段を使っても主君の首だけは守るという合意形成が為されていました。検察の取り調べにも口を割らなかった秘書さん達は、三方ヶ原の合戦で徳川家康の身代わりになって討ち死にした夏目広次の様な覚悟を持っていたのかもしれませんね。しかし、もしかしたら、その様な綺麗ごとではなく、人に言えない様なしがらみでがんじがらめになっているのかもしれません。私の隙間だらけでスカスカな頭の中では、一流企業や地元の役所へのコネ採用や、名門私立高校・大学受験での裏口入学という大変よろしくない言葉が浮かんでいます。これはあくまでも邪推ですが、そういえば問題の派閥には文科大臣経験者が多いですね。
私は、昨年末から現在に至るこの“政治とカネ”に纏わる騒ぎにうんざりした気分になっています。私は、国民がこの国を動かしていく事を任せている国会議員が、しかも与党のリーダー的な立場の人間が、言い訳と誤魔化しで世の中を渡っているペテン師だとは思ってもいませんでした。自分の行動に責任が持てず、自己保身のかたまりの卑劣漢が、国民の為だとか国益の為なんて偉そうに語られても耳が腐ってしまいそうです。こいつらは全員、次の選挙でも自分が勝ちあがる事しか考えていない自己中人間としか思えませんね。そしてこんな便所虫を作ってしまった政治のシステム、後援会と地方議員達についても、同じ肥溜めの中にいるウジ虫軍団だと思ってしまいます。政治に関わる言論人の人達は、「政治は綺麗ごとだけじゃあ出来ないよ」なんて事をとおっしゃいます。「政治は結果が全てで、政治家は、清濁併せ呑んで、それでも前に進んでいく実行力が必要だ」なんて事を言っている人もいます。仰せ御尤もだと私も思っています。いくら高潔な人物でも、仕事が出来ない人では困ってしまいますよね。唯々私は、政治家に対して、過ちや汚れ仕事を行ってしまった際に自ら責任が取れる誠実さを求めているだけなのです。他人に責任転嫁をしないで、きちんと謝って責任を取る、そういう潔さを求めているのです。きっと私は、幾つになっても青臭い事ばかり言っている、お花畑の住人なのでしょう。それでも結構毛だらけです。そして、「ドブ川に首までどっぷり浸かっているのに慣れてしまって、嫌な臭いが染みついてしまったのに気が付かない連中より100倍ましだよね」などと独り言を言いながら、オナラを一発、盛大にぶっぱなしてしまったのでした。
I’ll Be There For You:主の為なら例え火の中水の中。常時戦場で走っている人達、そんな人達の事を思いながら・・・。
I’ll Be There For YouはBon Joviが1988年に発売した4枚目のアルバム、New Jerseyに収録されている曲です。哀愁たっぷりのメロディーにジョン・ボンジョビ兄ちゃんが切々と歌い上げるバラードで、全米No1を獲得したとても素敵ないい曲です。この曲のLyricでは、別れを告げられた恋人に、「僕の手は汚れてしまったけど、君のそばにいる事を誓うよ」なんて事を未練たっぷりに訴えています。仕舞いには、「君の為に死ねる!君の為に太陽だって盗んでやる!」なんて白々しい事まで言ってしまいます。しかし後悔先に立たずなのです。この曲からは、品性下劣な政治家に向けて、「誠実さを失ったら、今更いくら綺麗ごとを言ってももう遅いんだよ」と戒めている様に私は感じられました。政治の世界は、魑魅魍魎が蠢いている得体のしれない世界で、力がモノをいうジャングルの様に私には思えます。今までも政治に関わる数々の不祥事が表ざたになってしまい、不幸な結末になってしまった事件も沢山起きています。「このハゲー!」と秘書さんに罵声を浴びせてしまって、自民党を離党、議員引退に追い込まれてしまった人の事は、皆さん憶えていることと思います。彼女は、現在コメンテーターとしてTVでお見掛けするのですが、聡明で、謙虚で礼儀正しい、とても感じがいい女性ですよね。そんな彼女が、あのような発言をするとはとても信じられません。あの事件について彼女が様々な媒体で発言しているのは、国会議員という職の壮絶さです。彼女は、国政と地元での後援会活動とこなしていくのが本当に大変で、来る日も来る日も激務をこなしているうちに段々心の余裕がなくなってしまっていたと述回しています。そして、罵声を浴びせられた秘書に関しては、日頃つまらないミスが多く、日常茶飯事に叱責されていた、大変に問題がある人物であったようです。代議士は毎日が一杯いっぱいで、秘書に対する当りが強くなってしまった様です。秘書は秘書で、毎日叱られているうちに、代議士に対する復讐心を持ってしまったのでしょう。お互いに相手の事を考えて、思いやる余裕がなくなってしまったのでしょうね。永田町は権謀術策が渦巻いている弱肉強食の世界で、きっとそこで生きていくには、とても厚い面の皮と強靭な精神力が必要なのでしょう。私はTVに登場している裏金政治家に向かって、全く優しくない言葉を思い切り浴びせながら、「しかし、何を差し置いても、誠実である事、優しさや思いやりを持っている事が大切で、この事を心の芯に持っていないとダメなんだよな」とつぶやいてしまったのでした。
このような駄文を最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
皆様にとって明日が今日より良い日になりますように。