パンドラの箱からあらわれたものは•••-Pigs(Three Different Ones)-

 2025年は、柔らかな日差しが穏やかに降り注ぐ、大変気持ちがいい日からスタートしました。みなさん、今年のお正月はいかがでしたか?日本海側では曇りや雪の地域もあったようですが、私達の列島は概ねお天気に恵まれた元日でしたね。昨年大きな災害に見舞われて、復興の道半の能登や富山の人達にとっては、まだ大変な状況だとお察し致しますが、それでもお正月を穏やかに迎えることが出来るのは幸せなことですよね。私は、富士山の向こうから登って来る初日の出をTVで見ながら、穏やかにお正月を迎えられる事を年神様に感謝してしまいました。

 世界に目をむけると、新年早々から多くの人達が大変な目にあっていて心が痛みます。ウクライナやパレスチナでは、お正月など関係なしにミサイルが飛び交って、血まみれの殺し合いが続いています。アメリカのニューオリンズでは、新年を祝う為に集まった人の列にテロリストの車が突っ込んで多くの人達が死傷しています。ロサンゼルスでは大規模な火災が発生して、セレブご用達高級住宅街を含む広大な地域が丸ごと焼けてしまって、莫大な被害が発生しています。お隣の韓国では、昨年末の戒厳令騒ぎで国内が大統領派と野党派に分断されて、当分国内政治は硬直したままであると予想されています。中国でもチベット自治区で地震が発生して、多くの人達が被災して死傷者も多数報告されています。他国から報じられるこうしたニュースを耳にする度に、お正月をのんびり過ごしている能天気な自分が後ろめたく感じられてしまいます。そして世界を俯瞰してみると、「2025年、私達は一体どうなるんだろう?」という訳の分からない不安にさい悩まされてしまっているのです。

 国際社会が混沌(カオス)の状態になる事は、昨年のうちから分かっていた事でしたよね。昨年11月に行われたアメリカ大統領選挙において、光の戦士のあの人(?)が大統領に返り咲きを決めた事でカオスは現実味を帯びてきましたよね。もともと「もしトラ」なんていわれていて、トランプさんが大統領になったら大変だぞと多くの人が語っていましたが、本当にホワイトハウスに帰ってくることになって、政府の人達からビジネスパーソンに至るまで「いったいどうすんねん?」と今でも右往左往していますよね。おまけにG7の国々では軒並み政権が弱体化しています。フランスでは6月の国民議会(下院にあたるそうです)選挙で、左派連合(NFP)が中道の与党連合の議席を上回って、マクロンさんはレイム・ダックになってしまいました。ドイツでも9月の総選挙で連立政権与党が過半数割れになってしまって、ショルツさんも死に体です。イギリスでは7月の総選挙で保守党が歴史的な大敗を喫して、14年ぶりに労働党への政権交代となりました。深刻な支持率低下に悩んでいたカナダのトルドー首相も、新年早々に辞任の表明をしてしまいましたよね。我が日本も9月の衆院選で、連立与党が過半数割れになって、野党との合意がなければ法案が可決されない事態に陥っています。かくの如く、これまで曲がりなりにも世界を牽引してきた(ことになっている)Group of sevenの国々が、今や秩序ある世界のリーダー足る事に期待できない状況に陥ってしまっています。

 アメリカの高名な調査会社であるユーラシアグループは、毎年新年に世界の10代リスクを発表しています。今年のNo1は「The G-Zero Wins」 と銘打たれていて、深まるGゼロ世界の混迷と訳されています。そしてそのリードには「私達は1930年代や冷戦初期にも匹敵する、世界史上でも特別に危険な時代に足を踏み入れつつある(意訳)」と書かれています。つまり、国際社会の秩序を保っていくリーダーとしての役割を担う国が存在しない為に、世界は深刻な危機を迎えるかもしれないという警告を発しているのですね。本来世界の秩序の維持は国連が担う事が期待されているのですが、国連にその力がない事はウクライナ戦争とパレスチナ紛争であからさまになってしまっていますよね。国連に変わって秩序の維持が期待されているアメリカも、バイデン爺さんの政権では影響力の低下は甚だしくて、グルーバルな課題解決の役割は期待できない状況でしたよね。逆にトランプさんは、国際秩序の維持といった「ただしいこと」よりも自国(というよりトランプさん個人)のメリットを優先するのがほぼ確実なので、アメリカが世界に混乱をもたらす側のPlayerになってしまいそうですね。

 実際、前述した世界10代リスクの第2位には、トランプ氏による支配が登場しています。この絶倫老人の思考法は、前大統領の時からみなさんお馴染みの通りで、自分が持っている力、即ち大統領としての、そしてアメリカの国力の強大な力を背景にしたディールで、力ずくで自分に有利な結論をもぎ取って来るという、なんとも破廉恥なものですよね。実際にこの因業ジジイは、現在デンマーク政府にグリーンランドの売却を迫っていて、もしアメリカに売らなければ莫大な関税をかけるぞと脅していますよね。大統領就任後に立て続けに発令した大統領令では、「パリ協定からの離脱」「WHOからの離脱」という国際社会に重大な影響を与える事象も含まれています。この自己中ジジイは、EUや日本が試行錯誤を重ねながらもCO2の削減に向けて頑張っているのに、「掘って掘って掘りまくるぜぃ」とシェールガスの増産を煽っています。このことはこの糞ジジイが、自分が気に入らない事は、それがみんなの為に有益なことであっても認めない利己主義者で、自分の利益になる事なら他人の迷惑なんか気にせずにやってしまう身勝手などうしょうもない、ある意味で無敵のヒトであるという事を端的に表していますよね。ちなみに無敵のヒトとは、有名なネットのインフルエンサーが言い出した言葉で、職もなく社会的信用がない人は失うものが何もないので、どんな犯罪行為でも躊躇なくやってしまうという意味で使われています。トランプさんの場合、少しニュアンスは異なりますが、彼のやる事に異を唱える事は許されないという意味ではやはり無敵のヒトですよね。ユーラシアグループ社長のイアンブレマーさんも、トランプ氏が自身に忠誠を誓う人物だけを重用し、国家のみならず国際社会の方向を左右する重要な政策でさえも、この頑固ジジイが気に入らなければ実現できなくなるという事に以前から警鐘を鳴らしていて、世界が善悪ではなくこんな品性下劣な人物の気分次第で左右されるという事を憂いています。

 今年のNHK大河ドラマでは、忘八という言葉が頻繁に登場していますよね。これは、人間として必要な8つの正しい事、仁義・礼・知・忠・信・孝・悌を忘れてしまったろくでなしのことを表した江戸時代の言葉なのだそうです。世界を見渡すと、忘八という言葉がぴったりな御仁ばかりででうんざりしてしまいますよね。ロシアの狂った土佐犬プーチンや、そのロシアに自国の兵器や兵士を送り込んでいる北のデブ将軍金正恩、そして中東の史上最悪の戦争犯罪人ネタニヤフなど、人間が持っている悪い部分ばかりを集めて、煮しめて濾して出来上がった様な悪党が、世界史史上でも最悪の部類に入る様な犯罪行為を犯し続けています。そんな忘八連中のなかでも、トランプ御大は大将格の忘八人間なので、こうした悪党連中との相性はどうやら悪くない様です。そして、国連やバイデン爺さんが何を言っても相手にしていなかった悪党連中も、トランプ御大とは取引に応じる体はとっているようです。私としては、そこに一縷の希望を見出したいところですね。実際に、イスラエルとハマスの間で決まった一時停戦については、バイデン爺さんよりトランプ御大が果たした役割が大きかったことが巷間伝えられています。

 トランプさんは、大統領選を争っている最中から、ウクライナについては自分が大統領になれば1日で停戦合意を仲介できると豪語していました。流石に今では6か月ほどと期限は後退していますが、それでも停戦に並々ならぬ意気込みは持っている様です。しかし、侵略された地域をある程度(あるいは全て)をあきらめなければ、プーチン野郎が停戦に合意するとは考えにくいですよね。ウクライナの人達にとっては、トランプさんの仲介では、間違いなくウクライナ側も大幅な譲歩が迫られるので、なかなか容認しにくいとは思います。しかし、両者の言い分を聞きながら妥協点を探るなんて悠長なやり方をしていたら、何時まで経っても停戦合意なんてできない事は自明の理ですよね。便所虫野郎のプーチンには、「やり得は許さへんで!」と言いたいところですが、最前線で凄惨な殺し合いをしている兵隊さんたちや、絶え間なく飛来してくるミサイルやドローン爆弾におびえて暮らしている無辜の市民の事を考えたら、もういい加減にして欲しいという気持ちの方が勝ってしまいますよね。であるならば、ここはひとつ無敵のヒトであるトランプさんに、無理やりでもとにかく停戦という事にしてもらいたいと私は思っています。

 世界にはもう一人、忘れてはならない忘八がいますよね。何を隠そうパンダの国の国家主席、きんぴら様です。中国の2025年も、どうやら騒がしい年になりそうですね。経済評論家諸氏の見立てでは、中国経済は、内需は頭打ちの状態で、輸出に依存している状態なのだそうです。具体的には、元々大きなシェアを持っていた鉄鋼に加えて、「新三様」と呼ばれている電気自動車・太陽光発電パネル・リチウムイオン電池が輸出を引っ張っている様ですね。これらの製品に共通しているのは、中央政府からの補助金を注ぎ込んだ過剰生産という点です。そして無計画に大量につくられて中国国内でダブついた安価な製品が、海外にバラまかれているというのが輸出増加の現実なのですね。こんなことを忘八大将が見逃す筈はありませんよね。当初は60%の関税を吹っかけて、自国が(自分自身が)有利になる様な駆け引きをしていますよね。不動産バブルが弾けて内需が冷え込んでいるのに、頼みの綱の輸出まで関税で締め付けられたら、いかにきんぴら様といえども、たまったものじゃありませんよね。強欲ジジイのトランプさんと鉄面皮のきんぴら様のあいだで、虚々実々を織り交ぜながらの争いが繰り広げられる光景が目に浮かぶようです。前述した世界10代リスクにおいても、この両者の関係について、「US=Chaina Breakdown」というタイトルで3番目にとりあげられています。保守の人たちの中には、トランプさんの中国への厳しい締め付けを歓迎する声も多数ある様です。しかし、この有数の存在感を持った大国の急激な変化が国際社会に及ぼす影響を想像してみると、トランプさんの冷酷無比なやり方については正解なのかどうかは分かりません。

 先日、アメリカの科学雑誌「原子力科学者会報(BAS)が毎年公表している終末時計が1秒進められて、人類滅亡までの残り時間は89秒となりました。主な要因としては、核戦争のリスク、AIの悪用、そして気候変動であるとされています。同紙の委員長は、「今回の前進は、全世界の指導者への警告である」と述べています。しかし、このような警鐘を鳴らしても、世界中の忘八連中は馬耳東風なのでしょうね。どうやら2025年の世界は、ブレマーさんが予想した通りの、忘八連中が国際社会の公なんぞは糞くらえで、自国の力を背景にしての好き放題やりたい放題で混沌とした社会になりそうです。悪党だらけの国際社会で、我が日本の2025年は一体どうなるのでしょうか?ゲル大佐ことイシバソーリは、こうした世界の忘八連中と対等に渡り合っていけるのでしょうか?どうにも我がゲル大佐は、忘八連中と比べると貧相でインケツなオヤジにしか見えなくて、頼りない事この上ないですよね。因業トランプは、大統領就任後、連日の様に大統領令を発令しています。その大部分は、自分勝手で傲慢な、世界の国々にとっては傍迷惑な、至って筋が悪い令状ですよね。そしてその矛先は、いつ日本に飛んできてもおかしくありませんよね。そうなった時の事を考えると、私の頭の中では良くない想像しか浮かんできません。一体全体どうなることやらと心がざわついて、テレビのニュースを注視しているのですが、どのチャンネルでも人気芸能人とテレビ局職員のゴシップを延々と放映するばかりで、なんだかげんなりとしてしまいます。私は、テレビのニュースを見ながら、「お気楽なテレビ局のコンプライアンスとガバナンスの問題も大事かもしれないけれど、もうすこし国際社会に目を向けて、世界の動きを詳しく報じて欲しいものだね」とつぶやきながらうたた寝をしてしまったのでした。

Pigs:傲慢で狭量な支配者が生み出すカオスの先にあるものは・・・?

Pigs(Three Different Ones)は、プログレッシブロックの雄Pink Floydが1977年にリリースしたアルバム”Animals”の3曲目に収録されている曲です。私が初めてこのアルバムを聞いたのは高校生の時で、ここで表現されている小難しい事は何一つわからずに、唯々かっこいい曲ばかりが収録されている素敵なアルバムだと思っていました。しかしこのアルバムは、人間を犬と羊、そして豚の3種類の動物に喩えて、人間社会を風刺したコンセプト・アルバムで、多くの人から高い評価を得ている名作です。このアルバムに収録されている作品のLyricはいずれも、比喩表現やスラングを織り交ぜて紡ぎ出された難解な内容で表現されていて、ファンの間では様々な解釈が語られています。作詞を担当したロジャー・ウオータースは、詳しくは語っていませんが、この曲では豚を支配者に喩えていて、3種類の異なる豚とは、どうやら「財力で支配する人間」「権力で支配する人間」「道徳で支配する人間」のメタファーである様です。そしてそんな支配者達をこの曲のLyricで、「この豚野郎!手前なんか見せかけだけのクズ野郎だぜ!」とこき下ろしています。そして、「豚小屋に頭を突っ込んでいる豚野郎がもっと掘れなんて言って、一体どこのブタ鉱山を掘るんだい?」とクソミソにけなしています。何だか、ブタ箱に頭を突っ込んでいるトランプじじいが「Drill Baby Drill」なんて事をほざいているのはお笑い草だと揶揄している様で、痛快な気持ちになってしまいました。世間にはトランプ大統領を評価する声やその腕力に期待する声がある様ですが、私はこのクソジジイのことが嫌いなのです。こいつが出した無慈悲な大統領令に振り回されて、不安な気持ちになっている移民やLGPTの人たちの事を考えると、「おまえこそとっととブタ小屋に入りやがれ」と悪態をついてしまいます。こいつの後ろに陣取っている赤い帽子を被った後援者たちを見回してみても、どいつもこいつも下品な連中で、いかにもオツムの血の巡りが悪そうなゴロツキばかりですよね。こんな倫理観の欠片もない不誠実な、そして身勝手で冷酷な暴君をリーダーに選んでしまったアメリカという国家には、つくづく失望してしまいましたね。私如きの羊野郎があれこれ気に病んでいても、現実は何も変わらないのですが、「思考停止でいるよりも、あれこれ悩んで考えている方が100倍マシだよね」とお決まりの台詞を念仏の様に唱えながら、今日もテレビに向かって文句を言っているのでした。

このような駄文を最後まで読んでくださって、ありがとうございました。 皆様にとって明日が今日より良い日になりますように。

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